ふるた歯科の小児歯科
口腔機能発達不全症をご存じですか?
小児期での『食べる』『飲み込む』『話す』『鼻で呼吸できる』などの口腔機能の発達・発育不足の状態は「口腔機能発達不全症」と診断され、その数が増えています。
これは障害の有無に関係なく、口を使う機能(食べる・話す等)が十分に発達していない状態を指します。
機能や環境の育成は、将来の「健康なからだつくり」に大きく関与します。
そこでその対応が厚労省より提唱され、当診療室ではそのガイドラインのもと小児期のサポートに取り組んでいます。
お子様のこんなところが気になっていませんか?
口腔機能の発達・発育不足の場合、下記のような症状が表れます。
思い当たる場合は当院にご相談ください。
- ポカンと口を開けている
- 睡眠時にいびきがある
- 食べるのが速すぎる。遅すぎる。
- 口呼吸がある
- 活舌がよくない
- 虫歯がある
- 歯並びが悪い
- 姿勢が悪い
- 肥満または痩せがある
- 指しゃぶり、唇を噛む等の癖がある
りっぷるくん検査(口唇閉鎖力)
上下の口唇を閉じての鼻呼吸習慣は、健康の基本となります。りっぷるくんで口唇力を測定し、お子様の口腔機能発達不全症予防について、現状把握と必要な対応をご提案致します。
力が弱い理由
口唇・舌の筋力が弱い、閉じづらい歯列、鼻疾患などが考えられます。
目標値:最低6N(ニュートン)目指せ10N!
りっぷるくんは測定時の「引っ張る方向の不一致」と「測定開始位置」のバラつきを少なくした口唇閉鎖力測定器です。
舌活のススメ
横浜国立大学 食育研究室とのコラボ
具体的な対応・治療について
プレオルソ
口腔機能発達不全症を放置したまま大人になると、なかなか治療することができません。口腔機能が発達途中である小児のうちに、専用器具を使ったトレーニングで改善することをおすすめします。
プレオルソは、鼻呼吸・正しい舌の使い方・正しい嚥下の 獲得を目的とした口腔筋機能訓練トレーナーで、結果として歯並び・噛み合わせが良くなるもので、それ自体が完全なる矯正装置ではありません。
口腔機能発達不全症の改善には、装置を使用するだけでなく、口唇閉鎖、あいうべ体操、鼻うがい 嚥下訓練、ガムトレーニング、 発音訓練などのトレーニングの習慣づけも大切です。
あいうべ体操(唇、舌の筋トレで鼻呼吸習慣の獲得!)
- 口腔筋機能向上のため、“あいうべ体操”を一日 30 回行ってください
- お子様だけでなく、保護者の方も一緒に行う
- コツはハッキリ、大きく行うこと
- “ベ~”のあと、元に戻った舌の位置が本来正常な舌の位置です。
夕食後の手軽な咀嚼力筋トレに「ガムトレーニング」
- 食後や装置を入れていない時にガムを噛んでください 。 1 回 20 分目標 550 回噛むと云われています
- 奥歯を意識して左右均等に噛みます。
- お勧めのガムは【ポスカF】 う蝕予防効果があるガムです
舌のトレーニングの重点器具には「ペコパンダ」
ペコぱんだは、舌の筋力を強化するために開発された自主訓練用トレーニング用具です。
注)トレーニング中は、保護者がそばで見守り、使用してください。
うがいの練習
簡単にできてしまいそうな『うがい』ですが、実はぶくぶくが出来ないお子さんが増えて来ていると言われます。
入浴時の遊びのひとつとして気軽にチャレンジしてみてください。
| STEP01 | 3歳になったら、うがいの練習を始めましょう。
口の中に水をためて、数秒間そのままキープしてからお口を出しましょう。(口からこぼれないように注意!)
| STEP02 | お口の中でぶくぶくしてみましょう
STEP1ができるようになったら、ぶくぶくしてみましょう。
お水がためられるようになってきたら、ほっぺたをぶくぶくしてみましょう。
上手になってきたら左右のほっぺたや上下のくちびるで、ぶくぶくに挑戦してみましょう。
| STEP03 | お口を開けてガラガラうがいをしてみましょう。
ガラガラうがいをしてみましょう。
水を口にいれてから、上を向いてガラガラとうがいをしてみましょう。
ガラガラを途中で止めて鼻で呼吸を3回してみましょう。
紙風船・吹き戻し・笛ラムネを活用
紙風船・吹き戻し・笛ラムネを膨らませたり、ふいて遊んでみましょう。
最近では口笛が吹けない方が多くなっており、それだけ口唇閉鎖力が弱まってると考えられます。
遊びの延長で鍛えられるので、気軽に挑戦してみてください。
治療のゴール
口腔機能発達不全症の治療のゴールは、きれいな歯並びや正常な噛み合わせを獲得することではありません。正しい咀嚼・嚥下・呼吸を習得し、「食べる機能」と「話す機能」を十分に発達させることにあるのです。治療をすることで、発育に問題のある部分を正常に戻しながら、バランスの取れた顔貌と正常な歯並びに導き、お口を骨格から改善することができるのです。指導や訓練によって必ず治るとは限りませんが、口腔機能が向上し、さらにお子さんが成長・発達することも伴って改善していくことを目指します。少しでも良い方向へ持っていけるよう、歯科医師・歯科衛生士と保護者が協力して行うことが大切です。